喫茶店
夜７時までの珈琲店。注文を聞いてから豆を挽く。
以前レストランで相席になった人から教えてもらったところ。
ＢＧＭはなく、静かに時間が流れる。
初めて入って珈琲を注文したとき、普段の感覚で待っていた私は
かなり待たされた気分になった。
30分間の休憩をもらって仕事場から抜けてきて
時間にゆとりのないことも重なって
ついつい、あとどのくらいかかるか、聞いてしまった。
豆を挽いてから淹（い）れると知っていたのだからもっとゆっくりした心持のときに来なきゃ、と休憩の合間に来たことを後悔した。
こうやってじっくりと時間をかけて客のために珈琲を出してくれるところは少ない。
今の吉祥寺には貴重な「オリジナルな」珈琲店。
騒々しいアーケードとは別世界の、まるで隠れ家（かくれが）のような、お気に入りの店。
前はそういう場所がいくつかあった。
それがひとつづつ消えていき、今はチェーン店がドンドン出来て、人もドシドシどかどか入る。
そういう店は、急いでいるとき用。
そんなこといってると、行くところがなくなるかな。
とにかく、ここ（珈琲店）は数少ない憩いの場、なのです。
・・・それからはゆっくり時間を過ごす為にここへ来る。
ケーキはなく、おなかにたまるものといえばバタートーストくらい・・・。
店主の奥様（？）が時々着物に白い割烹着をつけて店の中をゆっくりと動いているのもなんだか不思議に落ち着く。
今日は、6人の奥さん達が先客だった。
離れて座ったつもりだったが、話はすべてとてもよく聞こえました。
「ハッスル！」という言葉がぴったりだった。
ひとしきり賑やかな空気が引けた後、
今度はぼそぼそとした静かな話し声が聞こえてきた。
ふたりのおばあちゃまでした。
あとは男の人がひとりで新聞を読んでいたり、して
いつもの珈琲店の景色に戻りました。